"would + have + PP" 何とかならないかな、化学式じゃないんだから・・・
教育英語の文法書とか教科書を見ていると、思わず『何だ、こりゃ。化学式か??』と首を傾げたくなる言い回しによく出会う。どこの文法書にある、いわゆる”仮定法”(英語に仮定法をが実在するかどうかは、さておき)、この単元で、よく見るものに
would + have + PP
これがある。他にも、教育英語の文法書なら、助動詞の単元で
助動詞 + have + PP
こんな言い回しも、よく見かける。これを見て、中学生や高校生、あるいは大学生や社会人で英語を身につけたいと思っている学習者の人たちは、いったい、どう思うだろうか? まず
PP、これって何?
きっと、こんなことを思うに違いない。PPは、Past Participle の頭文字で、Pastは当然『過去』、partcipleは、文字通り part -icipleの part が表すように 『部分』これが、言葉の - しりとり - で、『分詞』、と英語の先人たちが訳してくれたおかげで、『過去分詞』となるわけでして・・・もっともできれば、『過去分詞』ではなく『過去分詞形』にした方が、より適切なのだが。この形という一文字がないせいで、教育英語は、過去分詞を”形”ではなく、”品詞”と誤解した結果、『準動詞』という『動詞に似ているけど動詞にあらず』という、なんとも中途半端で理解し難いものを作り上げる不幸につながるわけで。その辺りの話は、いったん始めると、いくらあっても話が終わらないので、この辺りにして。
どちらにしても、PP、この言い回し、本当に趣味があまり良いとは言えない。これじゃまるで、科学の元素記号じゃあるまいし、たださえ、理解し難いと誤解されている英文法が、よけいに難しくなるだけでしょ。
そして、とどめが、<have + PP>。こんな言い方しないで、『完了形』って言えばいいのに。教育英語は。なんで、そう言わないんだろ?
こんな疑問を、個人的に、本当に長い間かかえてきたのが、ついこの前、その理由が理解できた。教育英語の無神経な、文法用語のせいで、こんな単純で明快なことも言えないんだと。なぜなら、
would を含めた助動詞は
1)助動詞+原形
という教育英語のこの規則と、
2)have + PP=完了形
という教育英語のこの規則規則が、相性が悪すぎる。つまり
助動詞+<have + PP>
これの<have + PP>の部分を『完了形』というと
3)助動詞+完了形
ということになり、1)と3)に矛盾が出てくる。つまり
<助動詞+原形>といっておきながら、<助動詞+完了形>になる。
これじゃ、
助動詞と結合するのは、原形? それとも完了形?
という疑問が出てきてしまう。だから、その結果、教育英語は、はじめにある
would +have+PP
という何とも英語というか、言語とは思えない、どこかの化学式のような趣味の悪い言い回しになってしまったんだろうという推測が成り立つ。
じゃ、この矛盾をどうするか? 答えは簡単。
<have + PP>=完了形
と規則を捨てる。言い換えると
英文法の枠組みから、『完了形』という文法用語そのものを消し去れば、上の矛盾は、一度に解決する。『完了形』のような趣味の悪い - 文法用語 - の代わりに、
have + A = Aした・Aを完了した
つまり、HAVEという動詞そのものに『〜した』という - 意味 - をもたせれば、ことはスッキリする。例えば
would (だろう)+ have (した)+A+yesterday=昨日、Aしただろう
must (にちがいない)+ have (した)+A+yesterday=昨日、Aしたに違いない
そして、ここの have は、HAVEの原形、これで話はおしまい。